グラフィックデザイナーは絵が下手だとダメ?イラストレーターとの違いを考える

絵が描けないとグラフィックデザイナーはダメなの!?

筆者が1年間、勤めさせていただいた、
職業訓練校の受講生の方から
時々いただいた疑問の中に、以下のようなものがあります。

「私、絵が下手なのですが、
グラフィックデザイナーになるのは大変でしょうか?」

美術館で絵を眺める人

筆者の答えは以下です。

「グラフィックデザイナー は絵が下手でも大丈夫。
グラフィックデザイナー = イラストレーターではないですよ」


それでは具体的に
イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いとは何か?
お話したいと思います。

イラストを描けると思ってグラフィックデザイナーを目指した、あの頃・・・

その昔、漫画家を目指していた筆者は、
好きなイラストを仕事にできると「勘違い」して
グラフィックデザイナーになりました。

イラストとグラフィックデザインの根幹は繋がっているので、
絵が描けるグラフィックデザイナーが多いのは確かですが、
グラフィックデザイナーに、絵が下手だから
なれないわけではありません。


実際、筆者の周りにも、
Adobe Illustrator以外のアプリを駆使して
イラストを描いている
グラフィックデザイナーは何人もいます。

彼らが筆者のように「勘違い」したか否かは
聞いてみないとわかりませんが、
イラストレーターとグラフィックデザイナーの
実際の仕事内容は、別物なので
次項で違いを確認していきましょう。

イラストレーターの仕事は○○を作ること

イラストレーターのお仕事をひとことで表すと、
「素材を作る」ことです。

新聞・雑誌広告や本の表紙・装丁、
パッケージ、ポスターなどなど・・・

イラスト作成は、
あらゆる媒体を彩る「ビジュアルそのもの」であり、
誌面のイメージを支配します。

グラフィックデザイナーとは?

一方、誌面全体のイメージをプロデュースする役割が
グラフィックデザイナーのお仕事です。

どのような「見せ方」をすれば
お客様の要望を叶え、効果を得られるか?考え、
コンセプトやキービジュアルを決定します。

「見せ方」の選択肢の中には
写真で見せる、
グラフィックや空白、文字で見せる、
などなど様々あります。
イラストは「見せ方」の中のひとつです。

グラフィックデザインなど、制作業務には、
コピーライター、カメラマン、イラストレーター、校正、印刷など
様々な業種が関わって、はじめて完成します。

ですので、
グラフィックデザイナーが絵が下手だという理由で
なれないわけではありません。

そして、
グラフィックデザイナーのお仕事は多岐にわたり
とても忙しいので、
ちょっとしたイラストが描けるグラフィックデザイナーも、
「餅は餅屋」。

イラストはイラストレーターさんに、
写真はカメラマンさんに、
文章はコピーライターさんに、

というように専門家に頼む方が
クオリティが高く効率的と言えるでしょう。

イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いをまとめると

イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いは、

イラストレーターのお仕事は、
新聞・雑誌広告や、本の表紙や装丁、
パッケージ、ポスターなどの
イラストを描く「素材作り」であり、
誌面のイメージを支配します。

一方、グラフィックデザイナーは
誌面全体のイメージをプロデュースする役割。

お客様の要望を叶え、効果を得られる
最も最適な「見せ方」を推考し、
写真やイラストなど、様々な選択肢の中から決定します。

ですのでグラフィックデザイナーに
絵が下手だからなれないというのは
間違った認識だと言えますね。


たとえ絵を描くことが苦手でも
グラフィックデザイナーに
なることは可能ですので

「絵が下手」と謙遜されるあなたも
検討してみてください!

絵具パレット
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